西山浄土宗の総本山光明寺は、長岡京市西山のふもと、粟生広谷にあり、宗祖円光大師法然上人が御歳43歳の時、日本で最初に念仏の産声を上げられた立教開宗の地です。光明寺の中心的な建物が御影堂(みえどう)で、法然上人が自らお作りになられた「張子の御影」が祠られています。この御影堂は応仁の乱をはじめ、何度も火災にあって元の建物は残っていないそうです。現在のものは宝暦四年(1754)に完成したもので、大きさは十八間四面(約33m四方)で、建築様式は入母屋、総欅(ケヤキ)造りになっています。
歴史
文治元年(1185年)、源平の戦いで有名な熊谷蓮生法師が、戦いの明け暮れから積もる罪業を償い極楽往生の道を求めて、法然上人を訪ねたときに、「どんなに罪は深くとも、念仏さえ一心に申せば必ず救われる」との、あまりにも有り難いみ教えに歓喜し、直ちにお弟子となり剃髪したそうです。法然上人を勧請して入佛落慶法要を営み、開山第一世と仰ぎ、自らは二世となり、上人から「念仏三昧院」の寺号を頂いたそうです。これが光明寺の発祥です。
見どころ
御影堂は光明寺の伽藍の中心となる建物で、中に入ってお参りすることが出来ます。正面にはご本尊である「法然上人御自作の張子の御影」が祠られています。ご本尊の周辺を宮殿(くうでん)といい、宮殿は黄金の蓮や天蓋を始めとする様々なもので美しく飾られており、荘厳な雰囲気を醸し出しています。お釈迦様がお説きになった極楽の様子を想像できると思います。また、小坊主の諸堂案内とういのがあります。光明寺の10名ほどの「随身学生」という小坊主の仕事の一つに、本山を訪れる信者の皆さんや観光客の方々に山内のご案内をするというのがあります。これは、僧侶として将来布教をしなければならない私たち小坊主にとって大切な修行の一つだそうで、若い僧を育てるための修行として諸堂案内をしていただくのもまた一興だと思います。