岩手県の東南部に位置する遠野市。柳田國男の『遠野物語』で知られる民話のふるさと。そして、昔ながらの曲り家などの原風景が残っている地域です。そのため、カッパが目撃されたといわれる『カッパ淵』など、市内各地に『遠野物語』と由縁のある場所が多くあります。一方で近年は、ホップの栽培面積日本一という強みを活かし、「ホップ収穫祭」や「ビアツーリズム」といったビールに関することが盛り上がってきています。市内には、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の世界をイメージさせるJR釜石線のアーチ型鉄道の「めがね橋」。期間限定のライトアップもあり、さらに幻想的な風景が見られます。また、今から200年余り前に東北地方を襲ったたび重なる大飢餓のさいに大慈寺の義山和尚が、多くの犠牲者を供養するために、自然の花崗岩に五百体の羅漢像彫ったと言われている「五百羅漢」。「遠野物語」の第91話に出てくる奇石で、古代人の墓とも、武蔵坊弁慶が持ち上げて作ったともいわれている「続石」など昔ながらのどこか懐かしい風景の中に新しい風が吹き始めている遠野をお楽しみください。