西國寺(さいこくじ)、広島県尾道市にある寺院です。真言宗醍醐派大本山で山号は摩尼山、院号は総持院です。本尊は薬師瑠璃光如来坐像、国の重要文化財です。中国三十三観音霊場特別霊場、中国四十九薬師霊場第十六番札所、山陽花の寺二十四か寺第十九番札所、備後三十三観音霊場第六番札所です。場所はJR尾道駅よりおのみちバス西国寺行きで5分、西国寺バス停下車徒歩5分、山陽自動車道尾道IC下車 南東へ約10分です。
歴史
寺伝によると奈良時代の行基が順国中にこの地で加茂明神の霊夢を見たことにより建立されます。平安時代初期に火災により消失したが白河天皇の勅命により当時の住職慶鑁によって復興され永保2年に白河天皇の祈願所になります。官寺として100を超える末寺を持ち現在も数ある尾道市の寺院の中で最大規模です。南北朝時代の永和年間に再び火災で焼失します。当時守護大名の山名氏が寺院復興にあたります。
見どころ
西國寺の金堂右奥におられるお地蔵様は、「子もらい地蔵様」や「子授け地蔵様」といわれ、子宝のご縁を結ぶといわれるお地蔵様があります。子宝のご縁を求めて、全国から多くの夫婦が参拝します。重要文化財が数多くあります。仁王門は室町時代末期の桜門形式仁王像が木造で作られています。金堂は国の重要文化財で度々火災により焼失しましたが南北朝時代に再建されます。和様の基調とした折衷様式で来迎壁は再建当時の壁面のようです。夕景の金堂と三重塔はライトアップされると幻想的です。三重塔は足利六代将義教によって建立されたことが知られ、復古式建築の純和様の重量感ある美しい塔です。