大久野島(おおくのしま)瀬戸内海に位置する島で、芸予諸島のひとつです。広島県竹原市忠海町から沖合い3キロメートルに位置し、周囲は4.3キロメートルの無人島です。かつては毒ガス工場があったことから「毒ガスの島」「地図から消された島」とも呼ばれていました。第一次世界大戦以降の悲惨な歴史を今に伝える為、化学兵器製造にまつわる資料館があります。近年では多数のウサギが生息することでも知られ、「うさぎの島」とも呼ばれています。年間約10万人の観光客が訪れ、一部のうさぎ好きの聖地ともなっています。
歴史
明治30年代日露戦争開戦に備えて芸予要塞の一角として砲台が設置されます。第一次世界大戦で地理的な条件から秘匿の容易さなどから、大久野島を化学兵器の生産拠点に選び出します。毒ガス工場の存在は機密性から秘匿され、陸軍が発行した一般向け地図においても大久野島一帯は空白地域として扱われます。生産された毒ガスは、イペリットガス、ルイサイトガス、クシャミガス(呼吸困難)、催涙ガスの4種類です。現在も土壌汚染などで立ち入り禁止箇所も存在します。
見どころ
8羽のウサギが島に放たれて野生化し繁殖し、今ではウサギ島と呼ばれるほど700羽のウサギが生息している。毒ガス資料館東京第二陸軍造兵廠忠海製造所 があり戦争の歴史を風化させない島民の動きもあります。国民休暇村(海水浴場、キャンプ場、テニスコート)があり施設が整備されています。環境省のビジターハウスがり自然観察、環境学習の拠点として活用されています。瀬戸内海の大日本帝国陸軍の要塞として設置された砲台跡もあります。