瀬戸田町出身の日本画家である平山郁夫の美術館は、両国・国技館を設計した今里隆によるもので、切妻の大屋根が美しい建物です。館内は広々として、展示室の中央のソファーに腰掛け、ゆったりと眺められるようになっています。庭園は瀬戸内海をイメージして造られ、中央には瓢箪島もあります。生口島の北側にあり、周辺には耕三寺や向上寺、「瀬戸田曼荼羅」の緞帳があるベル・カントホールなどがあります。しまなみ海道生口島ICから車で12分、三原港から船で25分瀬戸田港で下船し徒歩10分です。
歴史
1930年に瀬戸田町に生まれ、幼少期を過ごしました。15歳で広島で被爆し後遺症に苦しんだ後、それを乗り越え日本画家として大成しますが、「私の原点は瀬戸内の風土である」と言っているように、瀬戸内の海の青や木々の緑は、画家としての感性に大きな影響を与えています。その故郷に感謝の想いをこめて、1997年平山郁夫美術館を開館しました。1999年にしまなみ海道が全面開通し、本州や四国からより多くの方々が来館されるようになりました。
見どころ
ロビーには「仏教伝来」の陶板画が飾られ、第一展示室から第三展示室までは、小学校入学前から20代の作品や大きな号数の作品などが分かれて展示してあります。水彩で描いた「しまなみ海道五十三次」や、本画制作と同じ大きさで描かれる大下図を見ることもできます。画業の歴史を映像で映しだすハイビジョン室や、小学校時代の絵日記や学生時代のモナリザの模写などがギャラリーに展示されています。幼いころからの作品を見ることができるのも故郷の美術館ならではのことでしょう。