【五島椿まつり限定】五島列島キリシタン物語ツアー 世界文化遺産「奈留島の江上集落」＆「久賀島の集落」＋大野の椿をガイド付きでめぐる by五島市観光協会

「NPO法人アクロス五島」または「五島市ふるさとガイドの会」に所属するガイドがご案内します。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」をはじめ、五島列島の二次離島の散策ガイドやカトリック巡礼のお客様のご案内を得意としています。五島を愛してやまない地元ガイドが五島でお過ごしいただくお客様の時間を彩ります。

ユーミンこと松任谷由実さんが、荒井由実としてデビューして間もない1974年の奈留高校がまだ五島高校の奈留分校だったころ、在学中の女子生徒から「私の学校のために校歌を作ってほしい」という手紙が届き、これを読んだユーミンはその願いに応えるために奈留島をイメージして「瞳を閉じて」という曲を制作します。その後この曲が正式な校歌になることはなかったものの、卒業式の場面や就職や進学で卒業生が島を離れるときに港で「蛍の光」とともにこの「瞳を閉じて」が流され卒業生を見送る曲となりました。

白壁とブルーの窓の愛らしい姿の江上天主堂は、信徒たちがキビナゴ地引網の収入などで建築資金をすべて出し合い完成させました。建設中は例年にないキビナゴ大漁となり、信徒たちは「神のお恵み」と感謝しあったといいます。柱にある手描きの木目模様や、花を描いた窓の透明ガラスなどのかわいらしい美しさが特徴の天主堂です。日本の木造教会の中でも特に完成度が高いといわれ、教会建築の名工鉄川与助の代表作でもあり、国の重要文化財に指定されています。

旧五輪教会堂は1881年に浜脇教会として久賀島の浜脇に建てられたものが、1931年に現在地に移築されました。旧五輪教会堂は約50年間、五輪地区と蕨小島の信徒たちの信仰のよりどころでしたが、老朽化のため1985年にすぐそばに五輪教会が新築されたため、教会の役目を終えました。この時点で解体の話が持ちあがりましたが、貴重な文化財として価値ある建造物を守ろうとの関係者の熱意と地元信徒たちの協力によって解体の危機を乗り越え、当初の姿で保存されることになりました。

大野の大椿は、根の回りが2m19cmもある大きな椿の木です。島の人たちは大椿の前の山を切り拓き、小石をひとつひとつ積みあげながら棚田をつくり、農業を営んできました。島の人々にとって椿は生活の糧であり、時には心を癒してくれる存在です。久賀島村の時代に「みだりに椿の木を切ったものは罰金刑に処す」という条例ができ、現在も大切に守られています。

牢屋の窄殉教記念教会は当時のキリスト教弾圧の歴史、そして悲しみと信仰の想いの強さを伝えています。1866年久賀島のキリシタンたちは長崎の信徒発見や、代々伝えられてきたパードレ（カトリック司祭）であるプティジャン司教の情報を知り、危険を顧みず長崎へ教えを請いに出かけました。その後久賀島では禁教政策が続くさなか代官所に自らキリシタンであることを公言する信者が次々と現れ禁教が激化、200名以上が約17畳の狭い牢に押し込められ、8ヵ月間にわたる拷問や飢えによる衰弱や病気により42名が命を落としました。この殉教の場所に現在の牢屋の窄殉教記念教会が建てられています。

最初の木造の浜脇教会は久賀島での悲しい牢屋の窄の迫害を乗り越えた人々やその子孫たちが、明治14年に建立しました。その後、台風などにに備え、五島で初めての鉄筋コンクリート造りの教会に建て替えられました。その時にはカトリック信徒以外からの寄付もあったといいます。ゴシック様式の奥まった祭壇と、白い壁を基調に淡いピンクで縁取りされたリブ・ヴォールト天井のやわらかな曲線が特徴です。