SDGsプログラム 響灘・海ゴミは語る 海のごみを見て見ぬ振りしない 伝聞ではなく体感できる「現場」へ＜JR戸畑駅発着＞

人々の暮らしの足ともなっている渡船で洞海湾を渡ります。若戸大橋を渡りながら、約3分間の船の旅。
洞海湾はかつて、大腸菌でさえすめない「死の海」と言われるほど海洋汚染が進んでしまっていたことがありました。閉鎖性水域であることに加え、工場からの未処理排水や市民の生活排水が流入することから汚濁が進行。そこで北九州市は汚泥の処理や浄化対策に取り組み、改善。今では100種類以上の魚介類が生息しています。

北九州はエコタウンを推進しています。北九州市は、長年「ものづくりのまち」として栄えてきました。公害などの問題にもぶつかりましたが、その技術力、公害克服の過程で培われた人材・技術・ノウハウ等を活かし、資源循環型社会の構築を図るため、「環境保全政策」と「産業復興」を統合した独自の地域政策として、「北九州エコタウン事業」を推進しています。

午後は北九州周辺では今はまれな自然海浜となった若松北海岸へ。冬、大陸から渡ってくる北西の季節風と波浪は、若松北海岸も面する響灘をはじめとする日本海沿岸各地にたくさんの「使者」（海洋浮遊ゴミ）を吹き寄せます。冬の日本海はとても寒さ厳しいですが、「使者」の数と種類の多さを目の当たりにできる「現場」を体感できるのもまさにこの時期。目で見て感じ、海について考え行動していきましょう。

くちばしに釣り針が突き刺さり、困っていたウミネコ。若松北海岸で実際にガイドが出会った光景です。プラスチックをはじめとした膨大なゴミが世界中の海で問題になっていることは、みなさんもニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。しかし、見た・聞いただけでは、記憶の中から風化し消えていっていってしまいます。寒さの厳しい冬の海辺ですが、目の前で見て聞いて感じて行動したことは人の記憶に残ります。伝聞ではなく、体感できる「現場」へ。ぜひ、みんなで海について考える一日を一緒に過ごしましょう。