16世紀のスペイン王フェリペ2世が対仏戦争の戦勝記念に建築したサン・ロレンツォ・エル・エスコリアル修道院のツァーに参加しました。マドリード市内の現地ツァー催行会社は王立オペラ劇場近くのわかりやすい場所にあり、早朝になるとツァー客がぞくぞく集... 続きを読むまってきます。
このツァーは英語ガイドということもあってか大型バスに大勢乗り込んだツァー客中、日本人は私どもだけでしたが、予めガイド本などで予備知識を仕入れておけばわかりやすい英語ですし特に問題はありません。
エル・エスコリアル(世界文化遺産、内部撮影禁止)は壮大な大聖堂のほか王族のプライベートエリア(宮殿部分)、さらに王家の墓所などが見学できます。霊廟で最も奧の歴代の王・王妃の柩が安置されている霊廟では16~17世紀ハプスブルク家4代の国王、カルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝としてはカール5世)、フェリペ2世~4世の柩がまるでカプセル・ホテルのように壁面に安置されているのを見学することができるのは感慨ひとしおです。ただあまりに巨大な建物のため全体像が掴みにくいのが残念でした。たとえば、かつてフェリペ2世が建築中のエル・エスコリアルを高台から俯瞰した「王の倚子」と呼ばれる高台等に寄ることができたらさらによかったのに、また時間の制約からか豪華な図書室の見学がかなわなかったのが残念でした。
戦没者の谷(こちらも内部撮影禁止)は、スペイン内戦後にフランコ総統側に立って戦死した人たちのための霊廟です。山の中腹にビル5~6階建ての位の高さのある巨大な横穴がくり抜かれており、奧にこれまた巨大な聖堂があるのですが、この建設には政治犯となった共和国側に立って戦った人たちが犠牲を出しながら動員された由、権力の集中するとこんなこともできるというある種の怖さのようなものも感じることができます。山の上には高さおよそ150 mというおそらく世界最大の十字架がそびえていて、根本まではケーブルカーで登ることもできるようです。残念ながら我々は登る時間はありませんでしたが。
ということで半日ツァーという時間的制約のもとでなかなか行きづらい2ヵ所をまとめて回ることができるという点で評価できるし、もっと多くの日本の方にも参加していただきたいと思うツァーでした。
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