ポルトガルの東端、スペインとの国境付近にあるのが「モンサントの村」です。モンサントの村は荒涼とした岩山の中に立ち並ぶ、鮮やかなオレンジ色の屋根の家が集まっている集落です。1938年の観光コンクールで「もっともポルトガルらしい村」に選ばれた事もあり、山から転がり落ちた巨石をそのまま利用したと言う一風変わった街並みです。「モンサント」とは聖なる山を意味し、先史時代からあがめられてきました。巨石信仰があったのではないか、とも言われています。
歴史
とても険しい場所に村が出来たのは村人の安全のためです。山の頂上には13世紀に城が作られスペインとの独立戦争や、ナポレオン侵攻にも耐えました。モンサントはポルトガル政府指定の歴史的村々に指定されています。人類定住の歴史も古く、人々の生活の痕跡は氷河期だった石器時代初期に遡れるそうです。ローマ・ムーア人(イスラム)・レコンキスタでのキリスト勢力時代にすすみ現在に至った村です。現在の村はノスタルジーな雰囲気を見せていますが、12~19世紀にはこの地域で重要な拠点・中心地と言えた場所でした。
見どころ
モンサントの村はとてもノスタルジックな風景が見どころではありますが、数件の家には巨大な岩が屋根に乗っていたり、家に岩が食い込んでいたりとインパクトもすごいです。人口100人ほどの小さな村で、山頂の「テンピル騎士団城跡」(19世紀に爆発事故で現在は廃墟)やポルトガルの初代国王アフォンソ1世が建設した「サン・ミゲル教会」、13世紀に建てられたローマ時代の礼拝堂などがあります。世界でも珍しい村に巨石が転がる奇景をぜひ見てみませんか。