南ヨーロッパに位置し、地中海に浮かぶ島国マルタ共和国。「地中海のヘソ」と呼ばれ、小さな3つの有人島と2つの無人島で成り立っています。この内、マルタ島とゴゾ島で確認された巨石の遺跡がマルタの巨石神殿群です。紀元前4500年頃から紀元前2000年頃までの間に建てられた、人類最古の石造建築物です。30～40の神殿跡の内、ゴゾ島のジャガンティーヤ神殿とマルタ島のハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿、タルシーン神殿、スコルバ神殿、タハージュラ神殿が世界遺産に登録されています。
歴史
マルタに最初に住んだ人は旧石器時代のネアンデルタール人といわれています。紀元前5200年頃から最初の新石器人が移り住んだことが記録に残されています。その1600年後には巨石神殿が各集落毎に建てられました。しかし紀元前2300年頃には巨石文化は衰退、紀元前2000年頃青銅器文明の人々が来るまで人の住まない不毛の地となっていました。なぜ人々が驚くほど大きな石で神殿を作ったのか、どのようにして作ったのか、今だ多くの謎が残されています。
見どころ
マルタの巨石神殿群はそれぞれ作られた年代によって特徴がみられます。世界的にも一番古いジャガンティーヤ神殿は石を積み上げただけの作りです。伝説では巨人が作ったと言われているのも頷けます。時代が新しくなると石と石の間がぴったりと接合されるようになります。また石を積み上げただけでなく、細かいドットや渦巻き模様など各神殿には特徴のある装飾が施されています。時代毎の特徴を知りながら、謎に満ちた遺跡の散策を楽しめます。
