セジェスタのギリシア神殿は、シチリア島の中心都市パレルモから約60キロメートル離れたセジェスタの町の郊外にある、古代ギリシアの神殿です。柱頭に鉢形装飾や柱基を持たないドーリア式の神殿です。青銅器時代に小アジア(現在のトルコ)から渡ってきたエリミ族が建てた神殿だと言われています。トラーパニからセジェスタまで電車がでており、セジェスタ駅からバスに乗り換えて、10分ほどで到着します。セジェスタ駅から神殿までは、2~3キロメートルの距離なので、歩いて行く事もできます。でも、途中日陰などが無いので、水分補給や日焼け対策を万全にしてください。
歴史
セジェスタのギリシア神殿が建てられたのは、およそBC5世紀のことです。 当時シチリアは、ギリシアからの植民地化が進んでいました。そんな中、アフリカ大陸やイタリア本島に近いことから、文明の十字路として様々な部族が入り乱れて暮らしていました。 謎に満ちたギリシア神殿ですが、柱に溝がない事や神室がない事から、「エリミ族が他文化のギリシア式を模倣して建てるのを嫌い、わざと神殿を完成させなかった」とか「神殿が完成する前にエリミ族が滅ぼされてしまった」とかいった様々な説があります。
見どころ
セジェスタのギリシア神殿は、保存状態が良く、列柱が全部残っています。バルバロ山の山腹の丘に建つ神殿の姿は、とても神秘的です。この神殿からさらに15分ほど山を登ると、斜面を利用して建てられたギリシャ劇場や住居跡があります。ギリシア劇場は、B.C3世紀半ばに建てられたもので、高所にあるため、そこからの眺めは絶景です。2年に1回、夏になると、ここで古代劇が上演されます。遺跡の周りには遺跡以外の人工物がほとんど何も無いため、当時の面影が偲ばれます。