ノルマン王宮は、地中海最大の島シチリア島の北西部に位置するパレルモにあります。四国の約1.4倍の面積の島は、温暖で過ごしやすい気候となっています。地中海のほぼ中央に位置する立地の為、古来よりさまざまな帝国や王朝が繁栄し豊かな文化を育みました。パレルモは、中世シチリア王国の古都として栄え、当時の面影を残す宮殿や大聖堂、教会や劇場などが数多く残っています。中でも王宮内にあるパラティーナ礼拝堂は、アラブ・ノルマン・ビザンティンの異文化が融合して誕生した美しい装飾が施されています。
歴史
ノルマン王宮の歴史は古く2000年以上前に遡ります。紀元前8世紀頃、カルタゴ人によって交易地を築き砦を造ったのが始まりと言われ、ローマ帝国、ビザンチン帝国、スペイン王朝などの支配を受けました。12世紀初代シチリア王ルッジェーロ2世が自身の居城と定め大幅に改築を行います。その後の歴代シチリア王も、増改築を行い現在の王宮へと姿を変えていきました。ノルマン王宮は、その拡張と共にパレルモの重要な中心地へと発展していきます。
見どころ
ノルマン王宮の見どころの1つに、豪奢で華麗なモザイク画があります。城の外見はルネサンス調の彫刻が彫られヨーロッパ文化が反映されていますが、王宮内の装飾は一転して壁面や高い天井へ、金箔にアラブ調のモザイク画が装飾されています。異文化が交わる王宮の不思議な空間は訪れた者を魅了するでしょう。ノルマン王宮はシチリアが辿った歴史を色濃く反映し、中世シチリア時代の素晴らしい芸術・文化を見ることができるおすすめの観光地となっています。