南イタリア最大の都市であるナポリは、イタリア南部に位置します。ローマ、ミラノに次ぐイタリア第三の都市であり、ナポリ湾に面した港湾都市です。ナポリは世界でも有数の観光地で、中でも旧市街地は、ナポリ歴史地区として世界遺産に登録される有名な観光地です。ナポリ歴史地区には、17世紀に建築された王宮やサンタルチア港の小島に作られた卵城等、歴史的建造物が多くあります。また、大聖堂や修道院、教会等が多いことでも知られます。その中でもサンセヴェーロ礼拝堂は、大理石の彫像等が並び、イタリアの宗教美術品の宝庫として有名な礼拝堂です。
歴史
サンセヴェーロ礼拝堂は、ジョバンニ・フランチェスコ・サングーロとその一族によって1590年に建設されます。当時は一族の廟墓として建設されています。1600年代に入り、息子のアレッサンドロにより改築されます。現在の礼拝堂はサンセヴェーロ公であったライモンド・ディ・サングロが1749年に再建したものです。それはライモンド・ディ・サングロが、病にかかっていた自分を救ってくれた聖母マリアへの感謝の念を示すために建設しています。現在は美術館として、ナポリ歴史地区の一角を担っております。
見どころ
サンセヴェーロ礼拝堂には、多くの宗教美術品が並んでいます。中でも最も有名なのが、ヴェールに包まれたキリスト像です。1753年に作られた作品で、横たわるイエス・キリストの遺体に薄布をまとわせています。手足には張り付けの跡が残る等、当時の臨場感が演出されています。地下室には、礼拝堂で最も強烈な作品であるアナトミカル・マシーンズという人体模型が展示されています。その他にもヴェールに覆われた女性の謙譲等、見どころある作品が多くあります。