ボヘミア地方ではプラハ城の次に規模の大きな城館で、ユネスコの世界遺産に登録されたチェスキー・クルムロフ歴史地区のシンボル的な存在の城です。ヴルダヴァ川(モルダウ川)の岸辺から見上げる城壁は、美しさと迫力を兼ね備えています。13世紀の創設以降、次々に新しい建築が付け加えられ、各時代の建築様式が見事に調和した巨大な複合建築物となりました。城にはバロック調の劇場や陶器、ゴブラン織り、絵画などが展示されています。
歴史
チェスキー・クルムロフ城は、13世紀にボヘミアの貴族ヴィトーコフ家がヴルダヴァ川(モルダウ川)の崖の上に築いた城です。その後、14世紀にロジェンベルク家、17世紀にエッゲンベルク家、18世紀にシュヴァルツェンベルク家が当主となり、次々と増改築が施されました。その結果、ゴシック様式、バロック様式、ルネッサンス様式といった異なった建築様式が混ざり合った複合建築物となりました。最も古いのは、正面の塔にある「フラーデク」と呼ばれている部分です。
見どころ
【城の塔】「フラーデク」にある城の塔に昇ることができます。塔のてっぺんから眺める町の風景は、絶景です。【城の中庭】レンガに見えるだまし絵が壁一面に描かれています。【黄金の馬車】エッゲンベルクホールに飾ってある黄金の馬車は、クルミの木に金箔が施されたもので、約1㎏の金が使われています。【マスカレード(仮面舞踏会)の間】舞踏会などが開かれたこの部屋には、壁一面に大勢の仮装した人物が描かれていて、バルコニーや窓からこちら側を見ているような構図になっています。