プランバナン寺院遺跡群は、インドネシア共和国のジャワ島中部、ジョグジャカルタにある、9世紀頃に建てられたヒンドゥー教寺院と仏教寺院の遺跡群で、1991年にユネスコ世界遺産に登録されました。プランバナン寺院史跡公園内に4つの寺院遺跡、公園外にもいくつかの寺院遺跡があり、それらを含めたものがプランバナン寺院遺跡群です。その中でも中心的建物が、ヒンドゥー教寺院であるロロ・ジョングラン寺院遺跡です。
歴史
8世紀から10世紀にかけて、ヒンドゥー教王国である古マラタム王国（サンジャヤ王朝）が、現在のジョグジャカルタで繁栄していました。当時、サンジャヤ王朝のすぐ北側に、仏教王国シャイレーンドラ王朝が存在しており、ボロブドゥール寺院を築いています。サンジャヤ王朝とシャイレーンドラ王朝は婚姻関係にあり、そのため、プランバナン周辺にヒンドゥー教寺院のみならず仏教寺院も建てられました。10世紀半ばに、はっきりした理由はわかっていませんが（ムラピ山の噴火、地震あるいは疫病流行と考えられる）、この地での王朝は崩壊し、東ジャワのクディリに遷都してクディリ王国となりました。
見どころ
プランバナン寺院史跡公園内の4つの寺院のうち最大かつ中心的な寺院は、ヒンドゥー教寺院であるロロ・ジョングラン寺院です。他の3寺院（ルンブン、ブブラ、セウ）は仏教系寺院あるいは仏教とヒンドゥー教が融合した寺院です。ロロ・ジョングラン寺院のすぐ横にあるラーマヤナ劇場では、週2回ないし4回（時期によって異なる）、ラーマヤナ舞踊（古代インド叙事詩）が上演されており、これは、古マラタム王国（サンジャヤ王朝）時代から続く宮廷舞踊とされています。また、ロロ・ジョングラン寺院から南へ約1km行ったところにボコの丘があり、ここにサンジャヤ王朝時代の宮殿跡があり、ここからプランバナン寺院遺跡群を見下ろすことができます。
