屈折ピラミッドとは、エジプトのダフシュールにある古代エジプト古王国時代第4王朝のファラオであるクフ王の父、スネフェル王のピラミッドです。三大ピラミッドとともにメンフェスとメンフェスとその墓地遺跡として世界遺産に登録されています。高さは105m、底辺は189mですが、特徴的なのは名のとおり途中で傾斜角度が変わっていて、これは玄室にかかる重量過多のため崩壊の危険を防ぐためであったり、建造中に王が病気になり、完成を急ぐために高さの目標を下げたためであったり、下エジプトと上エジプトの合一を象徴しているなど、様々な説があります。
歴史
スネフェルはエジプト第四王朝の創始者であり、エジプト第4王朝が「異なる家系に属する」8人のメンフェスによって統治されたと言われています。スネフェル王は非常に強力な王でした。ヌビア侵攻、シナイ半島に外征し、遊牧民を駆逐して鉱山を支配したことも有名ですし、国制の面でも整備を急速に進め、体系的な行政組織が形作ったとも言われています。また、彼の時代のピラミッドはより整備された形状を目指した技術的な模索をしていたと言われており、後に政治史的にも文化史的にも極めて重要な王朝となり、いまでも政治面や文化に影響を及ぼし続けるピラミッドとなっております。
見どころ
河岸神殿に続く様に塀で囲まれていた屈折ピラミッドは、当初128.5mの高さで設計されていたと考えられています。建造途中で何らかの理由によりピラミッドの傾斜の角度が、54度27分から43度22分と約11度なだらかになり、当初の設計より約23m低い105mで完成しています。屈折ピラミッドには、附帯施設として小さな衛生ピラミッドと礼拝堂が併設されています。礼拝堂からは、スネフェルのステラが発見され、礼拝堂の後ろに2基の石碑が残されています。