エジプトといえば、ギザの3大ピラミッドや神殿などの古代遺跡が有名ですが、ギザの3大ピラミッドの東側に広がるカイロの旧市街イスラム地区のイスラム建築群もイスラム都市カイロ(カイロ旧市街)として、世界遺産に登録されています。カイロ旧市街はファーティマ朝からマムルーク朝にかけて、イスラム世界の中心として長い間繁栄を極めました。町の至るところにモスクが建てられ、高いところから眺めると雑踏の間にモスクのミナレットが林立しているのがわかります。そのためカイロは「千のミナレットを持つ町」とも形容されます。
歴史
1つ目はアズハル広場周辺です。この辺りは19世紀に今のカイロ中心部ができるまで、カイロの中心として栄えたエリアで、土産物屋が軒を連ねることでも有名な、エジプト最大のスーク(市場)、ハーン・ハリーリもこのエリアにあります。2つ目はホセインからフトゥーフ門周辺です。ムイッズ通りをハーン・ハリーリを北に抜けると、通りに沿ってマムルーク朝時代のマドラサなどが並びます。3つ目はズヴェーラ門からガーマ・スルタン・ハサン周辺です。4つ目がシタデル周辺です。シタデルは今でもイスラムの英雄として讃えられるアイユーブ朝の創始者サラディンが、十字軍の侵攻からカイロを守るための拠点として建設した城塞です。マムルーク朝、オスマン朝を通じ、19世紀までこのシタデルが政治の中枢でした。5つ目は死者の町です。イスラム地区の最東端で、マムルーク朝時代のスルタンや高官たちの墓地となっています。イスラム地区を観光するときは、この5つのエリアを頭に入れておくと、効率的に回ることができるでしょう。
見どころ
カイロのイスラム地区は、北はフトゥーフ門から南はシタデル、東は死者の町まで、南北4km、東西2kmの範囲に渡り広がっており、大きく5つに分けることができます。旧市街のメインストリートは南北に走るムイッズ通りで現在も活気にあふれています。