エジプトの首都カイロの南、古代の都であるルクソールとホルス神殿のあるエドフの間にあるナイル川沿いの町、エスナにかかる2つの橋の間がエスナの水門と呼ばれている場所です。このエスナにかかる2つの橋には堰としての機能があり、船で航行する際には上流と下流の水位差を調整しながら通る必要があるのでナイル川クルーズの名物となっています。その高低差は8メートルほどあり、約5分ほどかけて水位を調節します。
見どころ
エスナの水門は2隻前後の船しか同時に入ることは出来ないので、順番待ちなどでしばしば長時間待たされることになります。その待たされる間に小舟で船の客に対して様々な物を押し売りに来る物売りが名物として知られています。また、水門内では注水によって水面の高低差を解消するため、水かさが増えていく様子を体感することもできるでしょう。もし、エジプトの考古学などに興味があるのなら、エスナで上陸してクヌム神殿を見に行くのもおすすめです。クヌム神殿はプトレマイオス朝から古代ローマ時代にかけて造られたギリシャ・ローマ様式の神殿で、エジプトの創造神の一人でナイル川を司る神でもあるクヌムを祀った場所です。この神殿には1840年代にフランス人考古学者であるオーギュスト・マリエットによって発掘された、列柱室が残っていてそれを見ることが出来ます。列柱室は小規模ながら保存状態も良く、デザインの異なる24本の柱、それに古代エジプトの象形文字や様々なレリーフが彫られている壁面などは見ごたえがあります。