ガーマ・ムハンマド・アリは、エジプト首都カイロの旧市街、イスラム地区のシタデル内にあります。内部と外壁に美しい縞模様があるアラバスター(雪花石膏)を使っているため、アラバスターモスクという通称をもちます。トルコのイスタンブールの大聖堂をモデルに建てられ、巨大なドームと細長い華奢なミナレットが特徴です。大きなドームを小さなドームで支えた柱の少ない構造は、トルコの影響でエジプトでは珍しい形です。
歴史
このモスクは、ムハンマド・アリ朝の時代に建設されたビザンチン(オスマン・トルコ)様式のモスクです。オスマン帝国からエジプトの独立に事実上成功した、ムハンマド・アリによって1824年から建設がスタートしました。そして、彼の死後、息子のサイード・パシャが1875年に完成させました。
見どころ
見どころとしては、ドーム型の天井から吊されたランプの光がとても美しく、シタデルの中で1番人気があります。天井にも細かい装飾がしてあり、じっくりと見たくなるでしょう。また、中庭の時計台は、ムハンマド・アリがフランスへオベリスクを贈ったとき、お返しとしてルイ・フィリップから贈られたものです。残念ながら今は壊れてしまっていますが、バロック様式の見事なものです。外から少し離れて見るなら、「ミナレット」にも注目してみてください。これは、祈りの時間を告げる「アザーン」のために造られた高い塔で、どのモスクにも必ず1塔は存在します。ミナレットは、次第に本来の役割とは関係なく造られるようになりましたが、それぞれのデザインがあり、圧巻です。