アンダースン博物館はエジプトの首都、カイロのイスラム地区に位置しており、市内最古のガーマ(モスク)であるガーマ・アフマド・イブン・トゥールーンと同じ敷地内にあります。アンダースン博物館の名称はイギリス人の美術品収集家アンダースンに由来しています。
歴史
エジプトは16~19世紀にかけてオスマン帝国に支配されました。この時期に富裕な商人などによって、イスラム風のオスマン建築がカイロ市内及び近郊地域に建設されました。アンダースン博物館はこのオスマン建築の住宅を復元、再生させたもので、イギリス人の美術品収集家のアンダースンにより1930年代に開館しました。博物館は2軒の建物を通路でつなぐことで1つにしており、内部には豪華な家具調度が置かれ、当時の富裕な商人の暮らしぶりを知る事が出来ます。
見どころ
アンダースンはエジプトの伝統文化に造詣が深く、オスマン建築の邸宅を復元し、当時の家具調度や美術工芸品を集めてオスマン帝国時代の富裕な商人の暮らしぶりを再現しました。アンダースン博物館は2軒の建物が上層階の通路で結ばれています。建物の外観は比較的シンプルですが、内部は外から中が見えないように精緻な細工を施した窓が並び、2階の居間には見事な幾何学模様のタイル床に噴水設備がある豪華なものです。博物館見学の際は同じ敷地にあるガーマ・アフマド・イブン・トゥールーンを訪れる事をお勧めします。市内最古を誇るガーマの中庭を囲む回廊の柱は、隅に円柱を埋め込んだ巨大なレンガ角柱で支えられており、見る人に非常に重厚な印象を与えます。またミナレットに上ると、カイロ市街地の360度のパノラマが楽しめます。