アスワンダムはエジプト南部のアスワン地区のナイル川に建設されたダムで、1901年に完成したロウ・ダムと1970年に完成したハイ・ダムの2つのダムがあります。アスワン・ロウ・ダムはアスワン市の南5㎞の地点にある多目的ダムで、当時のエジプト統治国であったイギリスが1898～1901年にかけて建造しました。規模は高さ51m、長さ2140m、貯水量が5.5k㎥あり綿花の増産に貢献しましたが、渇水時の貯水量不足などにより、新たにアスワン・ハイ・ダムが建造されました。アスワン・ハイ・ダムはロウ・ダムの上流6.4㎞の地点に作られ、現在、アスワンダムと言うとハイ・ダムを指すことが多くなっています。
歴史
アスワンダム（アスワン・ハイ・ダム）は1952年にイギリス主導で計画が始まりましたが、その後政権交代により中止されました。その後エジプトの指導者となったナセルはダムの建設計画を再開し、旧ソビエト連邦の協力を得て、1960年に工事が始まり、1970年に完成しました。貴重な古代遺跡が水没の危機にさらされたため、アブシンベル神殿をはじめとする10程の遺跡の大規模な移転工事がユネスコによって行われました。
見どころ
アスワンダム（アスワン・ハイダム）は高さ111m、長さ3,830m、貯水量が111k㎥あり、灌漑や発電に利用されています。ダム見学所から眺めるナセル湖の眺望は素晴らしく、絶好の撮影ポイントとなっています。また、ダムによってできた巨大なナセル湖では豪華なクルーズ船も運行され、周辺のアブシンベル神殿など、アスワンダム（アスワン・ハイ・ダム）建設に伴って移設された古代遺跡と共に、エジプト南部の有名観光地となっています。
