アレキサンドリア図書館はアレクサンダー大王の配下で、大王の没後プトレマイオス王朝の創始者となったプトレマイオス1世が、首都であったエジプトのアレキサンドリアに建てた図書館です。世界中の文献を収集することを目的として建設され、古代最大にして最高の図書館、及び最古の学術の殿堂とも言われています。所蔵文献はナイル川に自生する植物から作られたパピルスの巻物で、蔵書は巻子本にしておよそ70万巻にものぼったと言われています。図書館の喪失後1500年を経て、同じ場所とされるところに新アレキサンドリア図書館が建設されました。
歴史
アレキサンドリア図書館は紀元300年頃に作られました。世界中から文学、地理学、数学などあらゆる分野の書物が収集されました。ファラオの私財が投じられた図書館には「学堂」を意味するムセイオンもあり、ムセイオンにはアルキメデスやエウクレイデスなどの俊秀が世界中から集められました。このため、アレキサンドリアはヘレニズム時代における学術研究の中心都市となりました。アレキサンドリア図書館やムセイオンはローマ帝国時代にも存続しましたが、所蔵文献がパピルスを材料としていたため、蔵書の多くはその後の虫害や度重なる火災や戦乱によって失われました。火災については紀元前47年のユリウス・カエサルの侵攻、3世紀の内戦の他、5世紀初頭、キリスト教徒による学者の虐殺を伴うテロリズムなどがあります。
見どころ
かつてアレクサンドリア図書館があったとされる場所には、2001年、ユネスコとエジプト政府により、巨大で特異なデザインの図書館兼文化センター「新アレクサンドリア図書館」が建設されました。建物デザインはノルウェーの設計事務所によるもので、直径160mの巨大な円柱を低く斜めに切り取ったような形状をしており、外壁の周囲には日本語を含む世界各国の言葉が刻まれています。内部にはオーディオ・ビジュアル資料図書館をはじめとする6つの図書館と、考古学・古文書・科学の3つの博物館の他、プラネタリウムや数千人を収容する会議センター、7つの研究施設などがあり、予約制で館内のガイドツアーも行われています。