世界遺産アルビ＆コルド・シュル・シエル日帰りツアー　現地ではゆったり自由行動　宗教の歴史と芸術が彩る中世の美しい街を堪能＜トゥールーズ発／約9時間＞

アルビはフランス南西部のスペイン国境に近接するタルヌ県の県庁所在地で、2010年に「アルビの司教都市」として世界文化遺産に登録されました。
アルビはもともとローマ教会から異端とされたカタリ派の勢力が強いエリアでしたが、13世紀に入ると十字軍により排除され、以降はローマ・カトリックの配下となります。カタリ派の残党などから守るためにアルビの街は司教都市（大聖堂を中心とした集落都市）として構成されるようになり、外敵の侵攻を防ぐのにも役立ちました。そのためサント・セシル大聖堂やベルビ宮殿、タルヌ川の橋といった歴史的建造物は極めて保存状態が良く、独特の景観と共に中世の趣をよく残しています。

かつてカトリック司教を守る要塞の役割を果たしたベルビ宮殿は、アルビ出身で19世紀末のフランスを代表する画家ロートレックの美術館として利用されています。36歳という短い生涯のなかで若くして才能を開花させた彼の幼少期の風景画や肖像画、落書きやデッサン、代表作とされるパリ生活の中で描いたポスターなど1000点以上もの作品を所蔵し、ロートレックの最大級のコレクションを見ることができます。

ベルビ宮殿の隣に鎮座するセント・セシル大聖堂は、アルビを象徴する存在です。全長113.5m、全幅35m、高さ40mとレンガ造りの大聖堂としては世界最大で、その姿はまるで城塞のよう。78mの鐘楼は離れた場所からもその姿を確認でき、まさにシンボルとなっています。防衛色の強い堅牢な外観とは裏腹に内部は繊細な彫刻や天井画に彩られ大変美しく荘厳で、フランス国内最大のクラシックパイプオルガンや宝物室など見どころがたくさん。「最後の審判」の巨大なフレスコ画も必見です。

アルビはその独特の色合いから「バラの街」と称されます。この周辺では資材となる石が取れず旧市街の建物はレンガで造られており、夕暮れの西日を受けると赤・ピンク・黄土色のレンガの街並が美しいグラデーションを見せるためです。
独特の美しい景観を誇るよく保存された中世の街並のそぞろ歩きをぜひお楽しみください。アルビ滞在中に昼食をお取りになるのがおすすめです。

13世紀に造られた岩山にそびえる要塞都市、コルド・シュル・シエル。午前中に訪れたアルビと並び、ローマ教会が異端とみなしたカタリ派の拠点となっていた場所でした。アルビから北西約30kmに位置しており、標高は高い場所で320m、低いところでも159mあります。雲海から顔をのぞかせる街の姿は神秘的で美しく、思わず息を呑むほど！サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路でもあります。

13～14世紀に建てられた贅沢なゴシック様式の邸宅や、かつて商店だった建物のドア上に刻まれた取扱い商品をモチーフとした彫刻など、人々の目を楽しませるディテールがたくさん。石畳の通りを歩き、美しい中世の街をぜひまわってみてください。
また、コルド・シュル・シエルは多くの芸術家に愛されたアートの村。ゴシック建築の名作として知られるグラン・フォーコニエの館は近代・現代美術館として利用され、ピカソなどのそうそうたる画家の作品を所蔵し見ごたえ十分。アカデミー・ド・コルドと呼ばれるコミュニティが形成され、現在も数多くのアトリエやギャラリーが集まり、街歩きをより一層楽しいものにしています。