
世界的なスポーツやイベントの催行地にメルボルンが選ばれる理由、それは南半球には数少ない先進国という事実だけでなく、どうやらその「気さくさ」や「おしゃれさ」にも秘密があるようです。
オーストラリアで、大都市の街を歩いていると、必ずといっていいほどアーケード街やオープンカフェがあることを不思議に思っている方も多いのではないでしょうか? このトレンドは、実はメルボルンが発信してきたものなのです。
比較的小さな、でもおしゃれなお店、カフェ、レストラン等が集まっているのがレーンウェイ(Laneways)と呼ばれるショッピング街。日本語で単に「路地」といってしまうと、ちょっと消化不良。むしろ、ヨーロッパの街並みにも似た「街の通り(小路)とショップが一体化」した独特のエリアのこと、といえばイメージしやすいでしょう。東京なら代官山、神戸なら元町、三ノ宮間の山手側あたりです。
でも、メルボルンの魅力は、ショップや食文化だけではありません。郊外に足をのばせば、トレッキングや野生動物との出会いなど、アクティビティも盛りだくさんです。一粒で二度おいしい、それがメルボルンを基点とした旅の醍醐味なのです。




メルボルンにいったら、まずは世界70カ国・4,000軒ものレストランの中からお気に入りの1店を見つけてみましょう。さまざまなスタイルで、個性的におしゃれさを競う盛り付けは、ここがオセアニアではなく、ヨーロッパであるかのような錯覚に陥るかもしれません。
カフェカルチャーの発信地としても知られるメルボルンでは、店ごとにオリジナル色の強いコーヒーアレンジを。カフェタイムの楽しみに華を添えてくれます。
街中では、おしゃれな建物に囲まれ、活気溢れる裏道のオープンカフェでは人を眺め、自分も風景の一部になる。いまや日本の都市でもかなり当たり前になりつつある風景ですが、やはり、なんといっても本場のオープンカフェは、緊張しがちな旅中にあっては、ぜひ体験しておきたいものです。
街中(シティ)を十分に体験した後は、ちょっと足をのばして、リッチモンドの安くて陽気なベトナム料理や、カールトンの伝統的なイタリア料理にもチャレンジしてみましょう。
また、ワインがあまり得意ではないという方も、ぜひオーストラリアでワインデビューをお薦めします。わかりやすいはっきりした味で、ワインへの見識などなくても、十分に食事の楽しみを倍増してくれることでしょう。


シティ散策におすすめなのが、メインストリートから続くレーンウェイと呼ばれる路地。カフェやレストラン、ショップが並び、メルボルンで最も活気があり、おしゃれなスポットとなっています。
もとは19世紀中頃シティが拡大する前に、点在する住宅を結ぶために造られたものだそう。オーストラリアのカフェ文化が発祥したのもこのレーンウェイからで、石畳の小径や19世紀建設のアーケードなど、気ままに街探索を楽しめます。
歩き疲れたら、ローカルにまじって、オープンカフェでほっと一息。旅のツウの気分ですね。



1880年に開催されたメルボルン万博のために建設。当時、国際万博のひとつとして世界中から注目されたことであまりにも有名です。アボリジニ関係以外では、オーストラリア初の文化遺産として、2004年に世界遺産にも登録されました。
メルボルン博物館は庭園内の王立展示館に隣接する建物で2000年に開館。この博物館では8つのギャラリーに常設コレクションを展示しています。


カールトンはメルボルンの中でもアカデミックな雰囲気が感じられるスポット。ここにはメルボルン大学やRMIT大学といった主要な教育機関のほかに、メルボルン王立動物園、メルボルン墓地、メルボルン博物館、IMAX映画館、テニスコートなどがあります。
なかでもカールトン庭園は、ローカルにも一番親しまれている美しい庭園です。ロンドンでいえばハイドパークといった風情でしょうか。
散策に疲れたら、ちょっと脚を休めるためにベンチに腰掛けて、澄んだ大空のもと、きれいな空気をめいっぱい吸い込んでみましょう。



グレート・オーシャン・ロードはメルボルンから南西に約90km、サーフィンのメッカであるトーキーからアランスフォードまでの約260㎞にわたる海岸沿いの風光明媚な街道です。
街道沿いには、全長91kmにもおよぶウォーキングトラックもあり、体験旅行派やトレッキング愛好家などにもますます注目されています。周辺には豊かな森林も広がっていて、野生動物や草花などの観察も楽しめます。
そして、見所はなんといっても、奇岩群が海中からそびえ立つポート・キャンベルの「12使徒」。また、5~9月の頃には、ホエールウォッチングが楽しいワーナンブールなども見所です。
ドライブするもよし、ツアーに参加するもよし。また思い切ってヘリコプターで空からこの壮大なパノラマをみてみるもよし。一生に一度の想い出をつくるには、まさにうってつけのNo.1人気スポットです。
サーフィン界のリーディングカンパニーとして世界的に知られるクイック・シルバーの生産拠点がトーキーにあります。新作がいち早くラインナップするショップを併設していて、サーフィンに関する様々な商品を購入できます。



メルボルンから東に車で1時間ほどのところに広がる、豊かな自然が残された高原リゾート。ダンデノン丘陵は一帯が自然国立公園となっていて、アクティビティとしての一番人気は、パッフィン・ビリー鉄道です。その東北に野生動物の宝庫であるヒールスビル、北側にヤラ・バレーが続いています。
ビクトリア州には22の地域に850ものワイナリーがあります。なかでも、50以上のワイナリーが点在するヤラ・バレーは、オーストラリアを代表するワインの生産地で、19世紀初頭に生産が始まったことから、名門とされる施設も数多く存在しています。自家製ワインと料理を提供するレストランが併設されていることから、欧米の旅行者には特に人気です。



メルボルンから西に約110km、バララットからベンディゴまでの一帯は、ゴールドフィールドと呼ばれています。1850年代に始まったゴールドラッシュ時代の繁栄をしのばせるビクトリア調の建物やテーマパーク、資料館などが数多く点在。人口増加や移民文化、市民運動など、州内有数の金の産地として栄えた街ならではの歴史を知ることができます。
なかでも注目は、ゴールドラッシュ時代の街並みを再現したテーマパークがあるソブリンヒル。建物からスタッフの衣装までが、史実に基づいてそっくりに再現。19世紀の町さながらの雰囲気を醸し出しています。
園内では砂金採りや所要約40分の坑道内見学、当時の衣装を着ての記念撮影など、さまざまなプログラムを用意。当時を模した郵便局から実際に郵便を出す体験も人気です。
バララットワイルドライフパークではかわいいコアラに触れたり、カンガルーには食べ物をあげたり、珍しいタズマニアンデビルの餌付けを見ることも出来ます。きっと楽しい思い出になるでしょう。




食に関する祭典としては、他に類をみない規模を誇るメルボルンの秋の風物詩。
期間中の3月中旬頃には、街中そして郊外でも、有名シェフ自慢の作品が踊るように並び、観光客のみならず、ローカルの食通をうならせています。なかでも、世界を代表するセレブ御用達のシェフ・レストランが、ロングテーブルにサーブしてくれる「World’s Longest Lunch」は、ぜひ予約してでも体験したいものです。
